「核兵器禁止条約」発効の日

核兵器は道徳に反するだけでなく、きょう(1/22)から国際法違反になりました

 きょう、2021年1月22日(金)、「核兵器禁止条約」が発効しました。
核兵器の使用は広島・長崎を見るまでもなく「道義的・人道的に許されない」ものであることは明白です。
そしてきょうからはそれに加えて、核兵器は国際法違反と明確に規定されました。
核兵器保有国とその「核の傘」のもとにある国々は、国際社会から「無法者」とその「共犯者」とみなされることになり、それらの国々に対する国際的な圧力が国際法の枠組みとして確立されました。

 長年、核兵器の廃絶のために努力を重ねてきた被爆者のみなさんも、このことを「希望の光」として大歓迎しています。しかしもちろん、この条約の発効は核兵器廃絶への道のゴールではありません。禁止から廃絶へは、さらに長い道のりが待ち受けています。

 きょうの出来事は「重要な1歩」ではあっても、むしろ単なる第1歩にすぎないかもしれません。
カナダ在住の被爆者サーロー節子さんが言うように「核兵器の終わりの始まり」であって、条約批准国とそれを後押ししてきた世界の市民社会は今後、この条約をどう実効あるものにし、核兵器廃絶への道をいかにしてさらに切り開いていくのかが大きく問われることにもなりました。

 なにより、9つの核保有国(米ロ英仏中と、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエル)やそれらの国の「核の傘」のもとにある国々は、1か国もこの条約に参加していません。唯一の戦争被爆国である日本の菅首相も1月7日の記者会見で条約に署名しない考えを重ねて示し、広島・長崎の市長が求める締約国会議へのオブザーバー参加についても「慎重に見極める」ときわめて消極的です。

 一方で、この第1歩を後押しする大きな変化も生まれています。
これまで核兵器廃絶を求める運動は「核抑止力論」という大きな壁に行く手を阻まれ続けてきました。
大国間の「パワーバランス」が優先され、多くの非核兵器国も大国との経済的な利害関係から公然とそれを否定することはできませんでした。
いわば、これまでは核兵器の問題は大国間の安全保障の文脈でしか語られてきませんでした。
しかしいまでは、核兵器の問題を「人道」という誰もが賛同できる文脈で語れるようになり、大国主導の国際関係構築を、小国が代わって切り開いていく時代となりました。

 転機は2013年にノルウェーのオスロで開かれた軍縮問題の国際会議でした。
市民社会からの働き掛けもあって、国際社会はその後「人道」の観点から核兵器問題の議論を重ね、2017年7月に国連で122の国と地域の賛成で核兵器禁止条約を採択、昨年条約発効に必要な50か国の批准を得て、今年1月22日の発効となったのです。
「人道」を「規範」へと発展させた道筋でした。

 
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「小森陽一先生・9条の会事務局長が読み解く2021年」の第3回(1/30)、長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子先生をゲストに迎えた「核兵器の終わりの始まり―核兵器禁止条約と私たちの課題―」がそれです。
これはもう、聞くしかないですね!

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開講日以降は、いつでも何回でもご覧いただけますので、当日都合がつかなくても大丈夫、是非お申し込みください。

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